武田勝頼の妻にインタビュー
|
ハガクレ
|
今回は戦国時代のお姫様「勝頼妻」さんへインタビューです
|
勝頼妻
|
(ペコッ)
|
ハガクレ
|
勝頼さんの妻・・・・って、なんかインタビューしづらいですねぇ。なんせあの名門・武田家を滅ぼしちゃった当本人の奥さんでしょ?
|
勝頼妻
|
失礼なことを言わないでくれる?あんたカッチンをバカんしてんの?
|
ハガクレ
|
(カ・・カッチン・・・?)いやバカになんかしてないですよ!えーっとじゃあインタビュー入りますねっ!えー、お2人はいつ結婚したんですか?
|
勝頼妻
|
信玄義父さんが死んでから4年後よ。アタシは13歳でカッチンは32歳。
ま、カッチンには正室がいたんだけど、難産で死んじゃってからは正室がいなかったの。側室はたくさんいたけどね。
ホラ、あたしんちって名門じゃない?だから正室としていかされたわけ。ま、あの頃は幼かったからよくわかんないけど、政略結婚だったってわけよ
|
ハガクレ
|
ふーん。勝頼さんってどんな人でした?
|
勝頼妻
|
あのね、カッチンてね、決してバカじゃないのよねー。色々まわりがガタガタ言ってるけどさー。結構強いしさぁー。アレは絶対お義父さんが悪いよ。
|
ハガクレ
|
は?武田信玄さんのことですか?なんで信玄さんが悪者なんですか?
|
勝頼妻
|
だってさぁ、お義父さんケジメつけなかったんだもん。カッチンってお義父さんの四男で、ほんとだったら後継ぎになんてなれなかったわけ。だけど、お兄ちゃんたちが死んだりなんだりで、お鉢が回ってきたのよ。
|
ハガクレ
|
フンフン
|
勝頼妻
|
でもさぁ、彼、その時すでに「諏訪家」っていう実のお母さんの実家の主になってたワケ。つまり、一度「家来」の家を継がされたってことよ。で、お義父さんが急に死んじゃって、後継ぎがいないからって急遽武田家の当主になったったの
|
ハガクレ
|
ラッキーなんじゃないんですか?
|
勝頼妻
|
あのさぁ、言っとくけど「武田家」だよ?あの家にはお義父さん時代からの優秀な家来がわんさかいるわけよ。そこに一度家臣に下げられて、自分達と同格レベルになってた勝頼が「オレが新しい当主だ!言うこと聞け!」って言って素直に「はい。わかりました」って言うると思う?名前だって勝頼のまんまだしさー。ホントに後継ぎにするなら「信」て字を入れてくれりゃーいいのにさー
|
ハガクレ
|
あー、なるほどねー。それに武田家といえば「武田二十四将」と言われるくらい優秀な家来がたくさんいましたもんねぇー。
|
勝頼妻
|
そうなのよ。だから若いカッチンがいくらエバったところで、みんなお義父さんと比べちゃうわけ。あの人たちいっつも「勝頼殿と信玄殿は大違いじゃ!」って言ってたもん
お義父さんがそこんとこケジメつけないからいけないんだよね
|
ハガクレ
|
勝頼さんにしてみれば、なんとか自分を認めてもらいたかったでしょうねぇ
|
勝頼妻
|
そうなのよー!それで無茶やっちゃったワケよ!
|
ハガクレ
|
え?何をやっちゃったんですか?
|
勝頼妻
|
あんた長篠の戦って知ってるでしょ?
|
ハガクレ
|
もちろん知ってますよ!日本で始めて大々的に「鉄砲」が使われた戦いですもん。あれは織田信長・徳川家康連合軍VS武田軍の戦いですよね?
|
勝頼妻
|
そっ。そこでさ、老臣たちが「織田軍が変な陣構えをしているから、今回は甲斐に戻ろう」って言ったのね、だけどアタシのカッチン、熱いからさ、「じじーども!臆病風に吹かれたのか?!」って言っちゃったんだって
|
ハガクレ
|
ほわー!すごいこと言っちゃいましたね
|
勝頼妻
|
もー老臣連中は怒っちゃってさー。案の定合戦はボロ負け。カッチン、1人で帰ってきたのよ
|
ハガクレ
|
あれはねー、武田家壊滅状態でしたからね
|
勝頼妻
|
その時にね、お義父さん時代の優秀な家来たちがことごとく死んじゃって、あたしたちは滅亡の道を辿ることになったの
|
ハガクレ
|
こっからは悲惨ですもんねー
|
勝頼妻
|
そうだよー。ほんとにさぁ、だけどカッチンも悪いトコあんの。あんた上杉謙信って知ってる?
|
ハガクレ
|
そりゃー知ってますよ。武田信玄さんとはライバルですよね?
|
勝頼妻
|
そっ、でね、あんなに仲が悪かった上杉謙信が死んだ後、上杉家で御館の乱っていうお家騒動が始まって、それにみずから入っていっちゃったの
|
ハガクレ
|
それはまたナゼですか?
|
勝頼妻
|
それがさ、上杉謙信が突然死んで後継ぎが決まってなかったのね。で、2人の候補がいたんだ。それが景勝と景虎っていうんだけどね。
|
ハガクレ
|
フムフム
|
勝頼妻
|
その景虎ってのが、アタシの兄弟なの
|
ハガクレ
|
へー!そうなんだー
|
勝頼妻
|
でさ、やっぱ北条家としてはモチロン景虎を応援したいじゃない?だからアニキ(北条四代目当主氏政)がカッチンに「景勝やっつけて」ってお願いしたのね
|
ハガクレ
|
もちろんOKしたんですよね?
|
勝頼妻
|
当たり前じゃない。あたしのカッチンは「オレにまかせろ!」って勇んで越後まで行ったのよ。ところがさぁー
|
ハガクレ
|
何ですか?
|
勝頼妻
|
カッチンったら、景勝に大金を貰っちゃったの。「このお金をあげるから甲斐まで帰ってくれ」ってね。でホントに帰っちゃったのよ
|
ハガクレ
|
はぁ?なにやってんですか
|
勝頼妻
|
まぁさ、武田家も長篠の戦でボロ負けしてビンボーになっちゃってたから、目の前の大金に目がくらんじゃったのよ。そしたら景虎が景勝に殺されちゃってさぁ。上杉家の新当主に景勝がなったわけよ
|
ハガクレ
|
それって外交大失敗じゃないですか?
|
勝頼妻
|
そうなんだー。アニキがめちゃくちゃ怒っちゃってねー。同盟破棄してきたの。まいったよアレは
|
ハガクレ
|
辛い立場ですねぇ
|
勝頼妻
|
でしょー?アタシ、カッチンのこと好きだからさー、離婚したくなかったし。だけどアニキとかはすごいうるさく言ってきたのよねー
|
ハガクレ
|
でしょうねぇ
|
勝頼妻
|
でもね、そっから武田家はかなりボロボロになっちゃったの。もうさぁ、老臣たちがことごとくカッチンを裏切っていったの
|
ハガクレ
|
そうなんですかぁー
|
勝頼妻
|
ほんと辛いよーアレは。毎日毎日どっかの誰それが織田に寝返っただの、徳川に寝返っただの、そんなニュースばっかり。でね、ついに木曽義昌っていうね、カッチンの妹のダンナまでもが織田に寝返ったの
|
ハガクレ
|
ええーー!兄弟までもが?
|
勝頼妻
|
そう。最悪でしょ?さすがに武田一門から裏切りが出たってんで、みんな落ち着きがなくなっちゃってねー。裏切りが続出しだしたの。その時ね、カッチン、武田八幡宮に願文を書いたんだ。アタシ、あれみて泣けちゃったよ
|
ハガクレ
|
どんな願文だったんですか?
|
勝頼妻
|
長くなるけどいい?
「この国の主として代々お守りいただいてまいりましたが、逆臣が続出し国を悩ましております。勝頼は命をかえりみず敵陣に向かいましたが、兵達の心はばらばらで士気があがりません。木曽義昌までもが裏切りました。勝頼にどれほどの悪心があったというのでしょうか?勝頼は悲しみにくれるばかりです。願わくば勝頼に勝利を与えたまえ。敵を四方に散らし兵乱を鎮めて、寿命長遠子孫繁昌を願います。もし大願成就のあかつきには、回廊を建立いたしますことを誓います」って書いてあったの
|
ハガクレ
|
そこまで追い詰められてたんですかー
|
勝頼妻
|
もう、アタシのカッチンが日に日に元気がなくなってくるのを見てるだけで辛かったんだから。こんな手紙見ちゃった日にはもう泣けちゃって
|
ハガクレ
|
かわいそうですね
|
勝頼妻
|
でも思い届かずよ?この後すぐに織田家が大軍を動員して攻めてきたの。みんなバタバタと戦わずして寝返ったわよ!織田と戦ったのはカッチンの弟の仁科盛信だけよ?!信じられないわよ!!
|
ハガクレ
|
はぁー
|
勝頼妻
|
しかたなくアタシたちは城を捨て逃げることになったの。でね、逃げ先なんだけど、ここで2人の家臣が名乗りをあげてきたのよ
|
ハガクレ
|
フムフム
|
勝頼妻
|
1人は真田昌幸・そしてもう1人は小山田信茂ってヤツ。だけどさ、みんながね、真田は新参者だから信用できないって言ってね、小山田を選んだの
|
ハガクレ
|
ふーん
|
勝頼妻
|
ところがコイツが、すでに寝返ってたのよ!アタシたち必死の思いで逃げてきたっていうのに、小山田の城の近くまで来たら兵が襲い掛かってくる勢いなの!信じられないでしょ!?
|
ハガクレ
|
昔からの忠実な家臣の裏切りですか・・・。それは痛いですね
|
勝頼妻
|
もうアタシたち最悪な状況よ?逃げる途中に1人2人といなくなってってさ、最後は60人くらいしかいないし、そのうち半分は女だしさぁ
|
ハガクレ
|
気の毒ですね
|
勝頼妻
|
そしたらさ、カッチンがアタシに逃げろっていうのよ?アタシは北条の娘だからきっと助けてくれるだろうからって
|
ハガクレ
|
で?逃げたんですか?
|
勝頼妻
|
ジョーダンじゃないわよ!アタシだって戦国の女よ?カッチン1人を残して逃げるなんて卑怯な真似できるわけないじゃない!女でもいざという時は強い男に変わるんだから!
|
ハガクレ
|
じゃあもしかして一緒に・・・?
|
勝頼妻
|
そっ。女だからって情けない自害の仕方はしなかったって実家に伝えるようにって言ってからね、最後の歌を詠んだの
|
ハガクレ
|
どんな歌ですか?
|
勝頼妻
|
「黒髪の 乱れたる世ぞは 果てしなき 思いに消ゆる 露の玉の緒」ってヤツよ。我ながらいい出来だと思うわあ
|
ハガクレ
|
はぁ・・・。その後、勝頼さんと一緒に死んだんですか?
|
勝頼妻
|
そうよー。刀を口に入れて地面に突っ伏したの。ま、19歳で死んじゃうなんて短い人生だったけど、恥ずかしくない死に様でそれだけが救いよ
|
ハガクレ
|
ほんと、戦国の女って感じだったんですねぇ。あ、そういえば勝頼さんを自害に追い込んだ信長さんあの後どうなったか知ってます?
|
勝頼妻
|
えー?知らないけど?
|
ハガクレ
|
実は勝頼さんたちが死んでから三日後に、本能寺ってとこで殺されちゃったんですよ
|
勝頼妻
|
ええっ!マジ!?うそぉー!なにソレ!!さっそくカッチンに教えなきゃ!
|
|
|
|
|
|
 |